我々の願いは、市場に有効な競争環境を導入維持し、日本経済の根本からの活性化に役立つ仕組みがつくられることである。第一に、NTT地域会社には、成長可能な市場への参入を認めるべきだろう。それなしには、光ファイバー網を広げていく主体としての体力に不安が残る。将来の事業成長領域として、地域IP通信サービス、高度データサービスはもちろん、長距離通信や移動体通信にも取り組むことは考えられる。そのさい、99年7月のNTT分割のフレーム自体を見直す必要がある。ユニバーサルサービスの定義を含め、十分な検討が求められる。第二には、NTT以外の事業者を巻き込んだ競争促進を図ることである。通信ネットワークは、NTT以外にも、既存長距離通信会社、電力会社系キャリア、移動体通信会社、CATVなども展開しており、衛星通信という手段も存在している。これらの中で、99年5月には、電力系のTTnet、OMP、CTCという、首都圏、関西圏、中部圏に展開する地域通信会社の連携・統合を進めたいという意向表明があった。これは、いままで各地に分散割拠していた通信網を統合することによって、NTTに対する本格的競争相手となりうる可能性を示唆するものだ。これら電力系の通信子会社同士だけではなく、電力会社自身にも電力線の保守用の光回線に余裕なキャパシティがあり、電力会社同士の大連合もありうる。事実、アメリカでは、電力会社6社が共同出資するコンソーシアムをつくり、7000マイルに及ぶネットワークを持つ通信会社が2000年3月に発足した。日本でもありえない話ではない。これらの事業者に、ワイヤレス、CATV、衛星などの事業者が加われば、もっと強力な競争相手を生み出すことができよう。さらに、これ以外にも、下水道・地下鉄などの沿線に光ファイバー網は敷設されている(これらの世間には知られていない光ファイバー施設を「ダークファイバー」と呼び、貴重な資源として注目されはじめている)。
仕組みを簡単に見てみましょう。達成したい課題はたとえていえば―空気中の人間のコミュニケーションと同じモデルですから―1つの部屋にたくさんの人がいて、それでいて、任意の一対一でほかの人を気にせず自由に話ができる環境が作れるか、というようなものです。それを、こういう形で解決できないかと考えたのです。ある人が誰かに話したいと思ったときに、まず、部屋のなかで誰もしゃべっていないことを確認する。これが「キャリア・センス」の部分です。そして、もし誰もしゃべっていなかったらしゃべりはじめる。それは誰がしゃべりはじめてもよい。特に誰かだけがしゃべってよいという許可をあたえられているわけではありません。すると、ときにはたくさんの人が同時にしゃべりはじめたりする。「マルチプル・アクセス」です。そしてしゃべってみて、もし声がぶつかり合ったら、「あ、ぶつかった」とぶつかったことをぶつかりあった全員が認識します。これが「コリジョン・ディテクション」。
「鈍化するヤフー・伸長のグーグル」は、当然、決算(アメリカ)にも現れている。2004年にはともに30〜35億ドル程度の売上高であったヤフーとグーグルだが、05年にグーグルが逆転して以降(グーグル・61億ドル超、ヤフー・52億ドル超)、翌年には、グーグルの売上高はヤフーの1.6倍を超えるまでになった。グーグルの創業は1998年、企業としては、史上最速の100億ドル(日本円で1兆円超)プレーヤーであると言われる。ヤフーとグーグルの勢いの違いは、ビジネスモデルの違いと言い換えることができるだろう。ともに広告が収益の柱となってはいるものの、儲けのしくみは大きく違っているからである。違うといえば、両社は、まずそのトップページ(ホームページ)からしてまったく違う。